第65回例会『ハムレット』
父を殺され、母をけがされ
理性も感情も耐えがたい苦悩をしいられ
「人間とは一体なんだ?」
福島演劇鑑賞会 第65回例会
劇団俳優座(1971)
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:三神動
演出:増見利清
例会概要
公演日
1971年7月5日(月) 18:00~
会場
ものがたり
父王のおもいがけない死をきいてウイッテンパーグ大学からデンマークに帰ったハムレットは、母が王の死後一月そこそこで王の弟クローディアスと結婚したこと、その叔父が王に選ばれたことを知り、母の不貞と宮廷の腐敗に純真な心を傷つけられた。彼は再びウイッテンバーグ大学に戻ることを請うが許されない。そのとき夜な夜な亡霊が現われるという親友ホレーショの知らせをきいて、彼は城壁に立った。
果していかめしい武装姿の亡霊が彼を招く、亡き父にそつくりの姿であらわれた亡霊は、自分を暗殺し母と密通し王位を奪った叔父クローディアスに復讐せよと命じる。
復讐をよしとはしないハムレットは激情との板ばさみにあって悩み苦しんだ。彼は好悪な叔父や宮廷の腐敗の根を断ちきり、世を立て直す重い役目を負ったのだ。とり乱した彼の姿は愛するオフィーリアを驚かし叔父の悪業を探り出さんがための偽りの狂態は叔父と宮廷を驚かした。
ある日、ハムレットは旅役者の一行に父王の暗殺を仕組んだ芝居を演じさせ、狼狙し激昆する叔父の姿に、亡霊の言葉が真実であったことの証をつかむのだが、母の不貞を責めたハムレットは、王の命で彼の本心を探りにきたオフィーリアの父ポローニアスを誤って刺し殺してしまった。クローディアスはそれを口実に、彼を人知れず殺すためにイギリスへ追放した。
最愛の父を殺され恋人を失ったオフィーリアはあわれにも発狂する。王の陰謀を知ってハムレットが帰国した時オフィーリアは河中に水死していた。
一方急いでパリから帰国したボローニアスの息子レアーチーズは父と妹の死に怒って、不平分子をひきいて王に迫る。王は復讐心にはやるレアーチーズをそそのかし、毒剣と毒杯を用意してハムレットと彼の剣術の試合をたくらんだ。
御前試合の日―。毒剣はハムレットを傷つけ、復讐を企てたレアーチーズを倒し、さらにクローディアスを刺し、毒杯は王妃の命を奪った。死におよんだハムレットは、折からポーランド遠征から凱旋したノルウェーの王子フォーチンプラスに王位を渡し、後事をホレーショに話して息絶えた。民衆に愛されてやまなかつたハムレットの死をいたので、デンマークの空に売砲がとどろきわたる―。
出演
デンマーク前国王ハムレット王(亡霊)…小美野欣二
王妃 ガートルード………………………川口敦子
その息子 ハムレット……………………山本圭
デンマーク国王 クローディアス………小笠原良知
内大臣 ボローニアス……………………福田豊士
その息子 レアーテイーズ………………佐藤正文
その娘 オフイーリア……………………佐藤オリエ
ハムレットの友人 ホレーシヨ…………原田清人
ハムレットの友人 ローゼンクランツ…荘司 肇
ハムレットの友人 ギルデンスターン…古谷 一行
廷臣 オズリック………………………遠藤剛
軍人 マーセラス………………………仲野力永
軍人 バナードー………………………小林尚臣
軍人 フランシスコ……………………佐藤和男
牧師…………………中寛三
水夫…………………佐藤和男
墓堀り1……………仲野力永
墓堀り2……………鹿野四郎
ノールウェーの王子 フオーテインプラス…宮沢譲治
ノールウェーの隊長……………………小林尚臣
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